Production Musicビジネス成功の9ステップ

Production Musicビジネス成功の9ステップ

Production Musicビジネス成功の9ステップ

 国内では、まだ認知度の低いProduction Music ビジネス。日本にいながらアメリカのパブリッシャーと契約して在宅DTM環境で海外ドラマに楽曲提供し生活できる可能性があると言われても、成功までのプロセスが分からないと簡単には参入出来ないと思うので、スタートから楽曲使用料のみで生活できる様になるまでの流れを9ステップで解説します。

 Production Musicビジネスって何だか分からないという人にはこちらの記事を先に読んでみてください。

あなたが作った曲が有名海外ドラマのBGMに使われる!?

Production Musicビジネスって稼げるの?[即答、稼げます]

Production Musicビジネス入門①[概要]

Production Musicビジネス入門②[仕組み]


 これは私の実体験と知り合いコンポーザー数名の話を総合して構築した平均的なモデルケースです。もっとトントン拍子に大きな成功をする事もあるし、なかなか上手く行かない事もあるでしょう。

 私自身は、現在Libraryと契約した曲の楽曲使用料のみで生活が出来ています。私が始めた当時は、今以上に情報が乏しかったので手探りで挑戦するなか、数多くの失敗を繰り返してきました。かなり遠回りはしましたが、なんとか時間と場所に縛られない働き方で、しかも大好きな音楽で生活ができる様になりました。

 新しい事に挑戦する時、失敗のリスクは避けて通れません。何度も挫けそうになるかもしれません。このブログを読んだ人が、私と同じ失敗を繰り返さず、最短距離で成功を掴める様に、全体の流れ、やりがちな失敗例などを挙げて行きます。

1.PRO(著作権管理団体)に加入

 Production Music Libraryと契約した楽曲がTV番組等で使用されると、著作権使用料が発生します。その分配を受け取るにはPRO(Performing Rights Organization)に加入する必要があります。
 
 日本在住の方はJASRACが第一候補でしょうが、海外のPROにも加入する事が出来ます。Production Musicビジネスではアメリカでの楽曲使用が多くなるので、アメリカのPROであるASCAPもしくはBMIへの加入を検討しても良いでしょう。また、アメリカ以外の外国からこのブログを読んで下さっている方は、お住まいの国のPROも併せて検討してください。

 各国のPROは互いに緊密に連携しているので、海外で発生した楽曲使用料の分配も受け取る事が出来ます。その場合、国内の楽曲使用料に比べて受け取りまでに多少の遅れが発生します。

 ちなみに複数のPROに同時に入会する事は出来ないので、注意が必要です。またPROを途中で変更する事は可能ですが、煩雑な手続きや契約期間の縛りを受けるケースもあるので、どのPROのメンバーになるかは慎重に決めてください。

 徴収、分配の仕組みや、入会金、年会費の有無など、それぞれに特色があるのでPROのウェブサイトにアクセスしてよく検討してみる事をお勧めします。

 PROと契約が済むとIPI/CAEというあなた固有の番号が付与されます。これは作曲家としてのIDの様なものでMusic Libraryとの契約や印税の受け取りに必要になります。

PRO、著作権についてはこちらの記事も参考にしてください。

音楽ビジネスの根幹:著作権の話

著作権管理団体について

2.Music Libraryをリサーチする

 まずはネットで 

  • Production Music Library
  • Music Licensing
  • Sync Licensing

 等のキーワードで検索します。
たくさんのProduction Music Libraryがヒットするので、ウェブサイトにアクセスしてリサーチしていきます。

Royalty Free Musicサイトとの見分け方

 その際、どうしても検索結果にRoyalty Free ストックオーディオサイトが混じってきます。楽曲を登録してライセンスを販売すると言う点では、非常によく似ているのですが、Production MusicビジネスでパートナーとなるMusic Libraryとはビジネスモデルが違うので間違えない様に注意してください。

 見分け方としては、Royalty Free Musicサイトは楽曲の価格が表記されていて、サイト内で直接、決済してダウンロードできるものが主流です。FAQページがある場合、Music Libraryは、発生する楽曲使用料の支払いはLibraryからでは無く、PROを通して分配される旨の説明がある場合が多いです。

 両方の特徴を併せた様な独自のシステムで運営している所もありますが、大事なのは、購入された時の一回限りのライセンス料だけでなく、メディア等で使用される度に発生する著作権使用料をPROを通して毎回、受け取れる仕組みである事です。

ストックオーディオビジネスの解説

注目するポイント

 検索でProduction Music Libraryをリストアップしたら詳細をリサーチして、自分のスタイルにあった契約したいLibraryをリストアップしていきます。

チェックするポイントとしては

  • 楽曲使用の実績
  • カタログの規模、ジャンルの偏り
  • ExclusiveかNon-Exclusiveか
  • 作曲家からの楽曲の提出の可否、手順
  • ウェブサイトがこまめにアップデートされ、洗練されているかどうか

楽曲使用の実績

 多くの場合、トップページにこれまでどの様な楽曲使用を獲得してきたか、Libraryの実績が記載されています。楽曲使用があった放送局や企業のロゴマークもしくは、実際の番組のタイトルを載せている事もあります。

 まず大手放送局や企業からたくさんの楽曲使用を得ていることで、ある程度ちゃんと運営されているライブラリだと分かります。

 さらに細かく見ていくと、放送局やTV番組タイトルの記載が多い場合は、テレビのバックグラウンド音楽に強い事が分かります。さらに番組タイトルから、ドラマ系に強いのかドキュメンタリー系に強いのか、ニュース番組に強いの、Libraryの特色をある程度知る事ができます。

 企業のロゴが多く記載されている場合は、CM音楽を得意としているという事です。同じ様にゲーム制作会社ならゲーム業界、といった感じです。

 一つだけ、注意したいのが、Netflixやhuluといったインターネットテレビの番組が多く記載されている場合です。これらも通常のTV番組と同じ様にライセンスされますが、この記事を書いている2020年2月の時点では楽曲使用料が、かなり低く抑えられている事が知られています。こういったクライアントにコネクションのあるLibraryと契約して楽曲使用を得ても、あまり即座に利益につながらない可能性があります。

 ただし、このライセンス料の設定には多くの批判が上がっており、徐々に是正されていくと思われます。インターネットテレビ業界は急成長している分野なので、ライセンス料が是正された時に既に多くのネットTV系の実績を持っている事で、その後、有利に仕事ができる可能性はあるかもしれません。

カタログの規模、ジャンルの偏り

Source Audioの画面

 多くのMusic Libraryでは、Source Audioを使ってオンライン上に楽曲のカタログを公開しています。これはオーディオデータとメタデータをセットにして、ジャンルや用途に応じて楽曲検索できるシステムです。

 カタログの規模はLibraryによってそれぞれで数百曲程度の小規模な物から、大手Libraryになると10万曲を超える所もあります。

 Production Musicでは様々なジャンルの需要がありますが、Source Audioを見る事で登録数の多いジャンル、少ないジャンルを知る事が出来ます。上述の楽曲使用の実績とも関係しますが、Libraryが得意とするジャンルはより多くの曲が登録されている傾向にあります。

 登録曲が多いジャンルはそれだけ需要があり、多くの曲をLibraryが受け入れているという見方もできますが、その分、Library内の競争も激しくなり契約できてもカタログに埋もれてしまうリスクもあります。

 逆にまったくプレイスメントされていないジャンルの曲を提出しても、不採用になるか、運良くカタログに入っても、まったく使用されない可能性もあります。

 では、どうするかと言うと、Libraryの実績とカタログのジャンルの偏りを見比べて、実績がある割に登録曲が少ない、もしくは現在のトレンドに対して曲の質が古くなっているジャンル等、需要と供給のアンバランスを探します。

具体的に言うと:

 ”架空のLibrary X”のウェブサイトには、多くのスポーツ系の番組のプレイスメント実績が記載されているとします。ここからLibrary Xはスポーツ系番組のプレイスメントに強い傾向がある事が分かります。

 スポーツ系番組では、力強い戦いの音楽が求められます。今まではそう言った需要にはヘヴィなリフのハードロックやスピード感のあるヘヴィメタル等が好まれてきました。実際、Library Aのカタログをみると多くのロック系の曲が登録されています。

 しかし、ここ数年のトレンドが大きく変化しトラップやダブステップなど、EDM、Hip-Hop系の楽曲が多くスポーツ番組で使用される様になっています。このLibraryのカタログにはEDM系の曲が少なく、ライブラリの需要とカタログのジャンルの偏りにギャップがギャップが生じている事が分かります。

 Library Xとしては、多くのスポーツ番組に楽曲提供してきた実績から、引き続きスポーツ番組にプレイスメントして行きたい。コネクションもある。しかしトレンドが変化し市場のニーズにカタログの供給がついてきておらず、機会損失に繋がっていると考えられます。

 この読みが正しければ今、Library Xは多くのスポーツ番組で使えるイカツい感じのHip-Hop系トラックを激しく必要としているはずです。

 もし、あなたがHip-Hop系のトラック制作が得意で、今すぐライセンス可能なトラックを作れるなら、Library Xにとってあなたは是非、契約したい人材であると言えます。Library Xには元々、スポーツ系番組との強いコネクションがあるので、契約した曲がプレイスメントされる可能性もグッと高くなります。

 この様に業界のトレンド、Libraryの需要、自分の得意なジャンルのバランスを考慮して、パートナーとなる Libraryを選んでいきます。

Exclusive or Non-Exclusive

 契約形態がExclusiveかNon-Exclusiveかも大事なポイントです。ウェブサイトのAboutページもしくはFAQページに記載されている事が多いです。なかには特に表記が無く、実際、曲を送って契約の段階まで分からないLibraryもありますが、契約内容が気に入らなければ、サインを拒否しても問題ありませんので、まずはコンタクトを取ってみましょう。

 ただし、どちらか分からない場合はExclusiveだと仮定して、他と契約していないトラックを送った方が後々、トラブルになりにくいです。

とあるLibraryのSubmission Page

絶対に知っておきたい2種類のProduction Music Library

楽曲提出を受け入れているか

 Libraryの主な仕事は、作曲家から曲を預かりプロモートする事です。作曲家から提出される曲が唯一の商品なので、多くのLibraryで常時、曲の提出を広く受け入れています。ウェブサイト上に楽曲提出の窓口を用意している所も多いので、探してみましょう。

しかし一部、大手のLibraryでは

”We don’t accept any unsolicited demos”

というポリシーが書いてある事があります。Unsolicitedとは、”未承認の”という意味です。

 つまりMusic manager/Music attorney/ Industry Representativesからの推薦がある曲以外、提出を受け付けないという意味です。

  • Music Manager-マネージャー
  • Music attorney-代理人
  • industry representatives-音楽業界、特にレコードレーベルの代表

 レコードレーベルの代表は、ともかくマネージャー/代理人とは何なのかイマイチよく分かりませんね。

 このUnsolicited Demoという表現はProduction Musicビジネスだけでなく、大手レコード会社、音楽出版社などでも非常によく使われます。
多くの場合、何がUnsolicited(未承認)で、どうしたらSolicited(承認済み)になるのか明確な説明が無いので、関係者の間では、いつも様々な意見や噂が飛び交っています。

 要はレコード会社、音楽出版社には世界中から日々、膨大な量のデモテープが送られてくるので、それを全て聴くのは大変です。ある程度、絞り込む為に信頼のおける業界関係者から推薦された曲しか受け付けないというポリシーです。

 これだけ読むとコネなし作曲家には、チャンスが無い様に思えますが、実際はどうでしょう?

 ”No Unsolicited Demo”ポリシーのLibraryに曲を送っても、聴いてもらえず、返信も無いケースが多いのは事実です。しかし、まったくノーチャンスという訳でも無く、タイミングと提出の仕方、音源のクオリティによっては、契約を勝ち取れるケースもあります。

 まず、メールで

  • そのLibraryとどうしても契約したいという強い意思
  • 契約したらきっとLibraryの利益になるというアピール

を熱のこもった文面かつ、できるだけ簡潔にまとめて送りましょう。どの様に送ったら忙しいLibraryスタッフが曲を聴く気になるかは工夫が必要です。熱意が伝われば、曲を聴いてもらえる場合もあります。

 曲のクオリティが際立って高く、しかもトレンドやLibraryのニーズにマッチしていれば、返信があります。Libraryは、常に新しい曲を必要としているので、ハイクオリティな需要の高い楽曲を作れる能力を見せられれば契約を勝ち取るチャンスはあります。

スパマー認定に注意!

 とは言うものの、Unsolicited Demoを受け取らないポリシーを明記しているライブラリは有象無象のデモを聴く作業に煩わされたくないのが本音です。返信が無いからといって、同じ内容のデモを繰り返し送ったり、リサーチを十分にせずあちこちのライブラリにデモをバラまくというのはお勧めできません。

 Production Musicビジネスは意外と狭い業界です。良い噂、悪い噂問共に、あっという間に広まります。Libraryにスパマー認定されるような事は避けたほうが賢明です。特別な事情が無い限りは公募しているLibraryに送るほうが無難です。

ウェブサイトがこまめにアップデートされているかどうか?

 ウェブサイトがこまめにアップデートされて、見やすく、最新の情報が更新されているかも大事なポイントです。

 Libraryによる楽曲の売り込みは独自のコネクションを使って、Music Suprevisorに対人で行うので、必ずしもウェブサイトの機能やデザインが最先端である必要はありません。しかし10年以上前のプレイスメントが掲載されていたり、何年も更新された形跡のないサイト、時代遅れのフラッシュサイト、肝心のオーディオプレイヤーが使いにくいサイトのLibraryは要注意です。

 こういったLibraryは既に廃業もしくは休眠状態である可能性があります。タチが悪いことに、中にはパブリッシャーとしてほとんど機能していないにも関わらず、曲を集め続けている所がある事です。いくらこの様なLibraryと契約をしても、まったく収益には繋がらず、曲の権利をただ奪われる最悪な事態となるので絶対に避けなければいけません。

3.曲作り

 自分のスタイルにあったLibraryをリストアップできたら、いよいよ曲作りです。そのLibraryに提出する前提で曲作りを開始します。

まずは最も得意なジャンルで10〜12曲、完全にプロデュースされた楽曲を作りましょう。これがLibraryへの名刺代わりになります。

 デモ提出のダメな例

  • メロディと簡単な伴奏のみのアイデア段階の音源を送る。
  • 1曲だけ送り、気に入ってもらえたらすぐに残りの曲を作ると伝える。
  • クオリティが低かったり、Production Musicとして機能しない音源。

  DTMが発達した現代では、Libraryは契約後、すぐにライセンスできる曲のみを求めています。どんなに優れたアイデアの曲だとしても返事は「完成したらまた送ってね」っと言われるだけでしょう。

 曲数に関しては3、4曲での提出を受け入れてくれるところは結構ありますが、私は同じジャンルの曲を10から12曲、アルバムの様な形式で送る事をお勧めしています。競争が激しいProduction Musicビジネスの中でよりLibraryの立場に立って曲を提出する事で信頼関係を築くことができるからです。

なぜ10〜12曲が好ましいのかは別記事にて解説していきます。

4.デモをLibraryに送る

 デモ音源の制作が完了したら、楽曲を提出します。

*提出方法がLibraryのウェブサイトに明記されている場合は必ず、指示に従いましょう

ちなみに提出の際にLibraryが作曲家に絶対にやって欲しく無い事、ワースト1

☠️メールに直接、音源を添付して送る事☠️

 Libraryには日々、何百曲という楽曲が送られてきます。音源が全てメールに添付されていたらあっという間に、Libraryのサーバ要領を食い尽くしてしまいます。さらに、いちいちダウンロードしてストレージに保存して管理する手間もかかります。

 もし専用のSubmission Form が無ければ、DropboxやSoundcloud等のリンクをメールの本文に記載して送るのが一般的です。

 その際、リンクを知っている人以外には非公開の設定にする事を忘れないでください。公開してしまった楽曲は、Exclusive契約を結べないので注意が必要です。

 メールは、簡単な自己紹介、自己アピール、楽曲のリンク、連絡先を明記して、基本的なビジネスマナーを守った文面でおくりましょう。あまり長文を送ってしまうと、敬遠されるので要点をまとめて簡潔に送りましょう

楽曲のクオリティが基準を満たしているか確認する方法

初めてLibraryに曲を送る場合は、クオリティがProduction Musicとして十分かどうか不安になるかもしれませんが、

  • 自信作であると言えるか?(大事)
  • 提出するLibraryのカタログの曲と比べて、同等か優っているか?
  • TVで実際に使われている曲と比べて、同等か優っているか?

という観点で、自分自身で判断しましょう

 よく身内や友人などに意見を求める人がいますが、多くの場合、役に立ちません。なぜなら、近しい人たちは、あなたにハッピーでいて欲しいと思っているので、面と向かってあなたの曲の批判をしないからです。

 中には音楽に辛口な人もいるかも知れませんが、ほとんどの場合、曲を評価する基準がProduction Musicでは無く、アーティスト作品なのであまり参考になりません。

 Production Musicが必ず、アーティスト作品より劣っているとは思いません。しかしProduction Musicは、楽曲そのものの芸術性よりも、映像表現をサポートする機能を求めて作られているので、長時間かけて推考を重ねて、高級な機材でレコーディングし、プロのエンジニアがミックスしたアーティスト作品のクオリティと単純に比較するのは、あまり意味がありません。

 どうしてもフィードバックが必要な場合は、映像向けにバックグラウンドミュージックを制作した事があるプロフェッショナルに頼むのが唯一の正解です。特に、Production Musicは海外向けに楽曲提供をするので、日本よりも海外のサウンドを理解している人が好ましいです。

 とは言え、そういう人を国内で探すのは不可能に近いので、まずは自分で判断してLibraryに曲を送ってみて経験値を高めて行きましょう。

こちらの記事が参考になります。

TV/Film等にライセンスされる為に必要な曲のクオリティ

 ちなみに要望が多くあれば、私が楽曲レビューサービスを提供するかもしれません。

5.ライブラリから返事→修正対応、サブミックスの作成

採用の場合

 曲を送ったら、しばらく待ちましょう。もしLibraryがあなたの曲を気に入ったら、最短で数日、長くても3ヶ月くらいでメールの返信があります。

メールの内容は大体、こんな感じ

  • あなたの曲がProduction Music としての需要があるので契約したい
  • ウェブサイトには載っていないLibraryの事情や契約の詳細
  • Sub Mixの要求
  • 契約の意思の確認

 メールの内容をよく精査して、質問に回答し必要な追加音源を送信します。

Sub Mixとは、フルミックスから任意の楽器を抜いたヴァリエーションの事です。元の音源のフレーズを変えたりせず、トラックミュートしてヴァリエーションを作っていきます。ミュートする組み合わせによっては、途中に長い無音部分が発生する事がありますがそのままで大丈夫です。大事なのは各ヴァリエーションのスタートタイム、エンドタイム、ファイルの長さが揃っている事なので、使わないトラックをミュートしてそのまま書き出しましょう

要求されるSub Mixの種類はLibraryによって様々ですが、

代表的なのが

  • No Melody Mix
  • Drums and Bass Only Mix
  • Drums and Percussion Only Mix
  • No Drums Mix
  • Sparse Mix

等です。

不採用の場合

 もし一定期間を経過しても返事が無ければ残念ながら不採用です。Production Musicビジネスをやっている以上、曲を送っても返信がなかったり、不採用を知らせるメールを受け取る事は日常茶飯事です。

 不採用になる理由は、クオリティだけで無く、Libraryの需要に合っていなかった、そもそも曲の受け付けを一時的に停止している等、様々な要因があるので、不採用になってもあなたの才能を否定していると、捉えない様にしましょう。必要以上に落ち込まず、すぐ次のLibraryを探しましょう。

 実際、私が最初のLibraryと契約した時は40社以上のLibraryに曲を送り、返事が来たのが4社、最終的に契約出来たのが2社でした。ちなみにその2社は、現在でも取引があり、これまでに300以上のプレイスメントを取ってくれています。そういう関係を築けるLibraryに出会えるまで粘り強く、楽曲を送っていきます。

6.Libraryと契約

 通常、数回のメールのやり取りで契約に至ります。結構フランクに会話が進むので、わからない事は遠慮せずに質問しましょう。

最終的に問題なければ契約書に電子サインを済ませて、契約完了です。

🎉おめでとうございます。🎊

 晴れてあなたの楽曲はLibrary のカタログに登録され、TV等のメディアで使われる候補曲になりました。またLibraryのスタッフがMusic Supervisorの元に出向き、直接の曲の売り込みもしてもらえます。

 同時に LibraryがPublisher として楽曲をPROのデータベースに登録します。これで曲がライセンスされた場合には、PROから使用料の分配を受け取れる様になります。

 ステップ1で契約したPROからデータベースへアクセスするためのIDとパスワードを受け取っている筈なので、PROのウェブサイトからデータベースにアクセスして自分がWriter、LibraryがPublisherとして、曲が登録されている事を確認しましょう。(Library契約からデータベース登録まで多少、時間がかかります。)

*契約に関して一点だけ注意。
契約の詳細は別の記事で深堀りしますが、楽曲使用料の項で、Writer’s ShareとPublisher’s Shareという記載があるはずです。これは作曲家、音楽出版社(Library)それぞれの取り分の規定です。

 50:50が業界スタンダードとなっていて特別な事情が無い限り変更される事はありません。LibraryがWriter’s Shareを減らす要求をしてくる場合、よく理由に納得できなければ、契約書にサインをしないほうが良いでしょう。

こちらの記事も参考になります。

Production Musicビジネスの収益の種類


7.再び曲作り→提出→契約→以下、ずっと繰り返し

 再び曲作りを行います。また10〜12曲くらいの統一されたコンセプトのアルバム形式を作りましょう。
完成後、曲をMusic Libraryに提出します。前回、契約したMusic Libraryに送る場合は、契約書の Schedule Aという項目へ、新曲を追加するだけで良いので初回よりずっと簡単に話が進みます。

 新たに別のLibraryと契約する事も可能です。個人的には2〜3、多くても5つぐらいのMusic Libraryと取引をするのがちょうど良いと思います。

8.楽曲使用→印税振り込み

 曲がTV等で使用される→楽曲使用者がPROにCue Sheetを提出→印税が振り込まれる。という流れで、ついに報酬を受け取ることができます。1曲あたりの印税額は放送局の種類(ケーブルTV/ナショナルネットワーク/ローカルTV/ラジオ)、使用シーンにおける曲の重要度(バックグラウンド/テーマソング)使用された長さ使用された時間帯などを元に算出されますので一概に一回いくらという風には決まっていません。

 加入したPROにも寄りますが、印税の振り込みは四半期に一回、すなわち三ヶ月に1回の場合がほとんどです。

9.BYC=Build Your Catalog!!

以上が、Production Music ビジネスにおける、曲づくりから報酬受け取りまでの流れになります。このプロセスを何度も繰り返す事になります。

 最初の印税の受け取りの段階では、生活していくのに十分な報酬を得るのは難しいでしょう。

 印税額はライセンスされた数、質などによって大きく変動するので、具体的な曲数を示すのは大変難しいのですが、私の場合、PROのデータベースへの登録数が200曲を超えた頃から、「なんとかやっていけるかもしれない」という手応えを感じました。他のコンポーザーの話等を統合すると150から300曲ぐらいで、ある程度まとまった楽曲使用料の分配になるケースが多い様です。

 この曲数を制作するには、どのくらい時間が掛かるのでしょうか?年間100曲作っても、2年はかかります。そして印税の支払いは曲が使用されてから半年ぐらい後になります。

 この点はいくら強調しても足りないくらいなのですが。

Production Music ビジネスは”Rich Quick Scheme”(一晩で大儲け)とは程遠い、相応の時間と努力の継続が必要な仕事です。

 もしあなたがProduction Music ビジネスに本気で取り組み、フルタイムの仕事にしたいと考えるなら3年計画ぐらいの気持ちで臨む必要があります。

 それまでは、絶え間なくBuild Your Catalog!(カタログを充実させよう)です。
おそらく最初の数年がProduction Music ビジネスの一番シンドい部分で、多くの人がこの段階で脱落します。なかなか結果が出ない中、淡々と曲を作り、送り続ける必要があります。

 このブログ書き始めてから、Production Musicビジネスの厳しさばかりを描いている気がしますが、勿論、素晴らしい点もたくさんあります、ちゃんと努力を継続できれば、それに見合った成果も戻ってきますし、時間や場所に囚われず働けるライフスタイルも手に入ります。

Production Music ビジネスに向いている人って?


 現在では、インターネット経由でたくさんの情報が出回っているので、参入者が多く、Production Musicビジネス業界は飽和状態にあるという話を聞きます。

 私はその意見に反対です。確かに年々、参入者は増えている印象ですが、短期間で成果が出ずに落胆して辞めていく人も多いと感じます。

 また、現在、Production Music業界は大きく成長しています。新しいメディアの出現により次々に新しい音楽需要が生まれています。参入者の増加よりも需要の増加の方が勝っている状況だ思います。

 結局の所、継続できるか否が成功の分かれ道になります。このブログを読んでくれている人が、迷いなくLibraryとの契約を積み重ねていける様に引き続き情報発信をしていきたいと思います。

Let’s Build Your Catalog!

具体的なProduction Musicの制作法を実際の楽曲と共に解説↓↓

Production Musicの作り方

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