良いProduction Music Libraryの見分け方
- 2022.06.13
- Production Musicビジネス徹底解説
Libraryとの関係
Production Music Libraryは作曲家にとって、Production Musicビジネスに於いての最も大切なパートナーです。良い曲を沢山作るのと同じくらい、どのLibraryと取引するかが成功と失敗の分かれ道になると言っても過言ではありません。
TV見て実際使われている曲を調べて、Libraryのカタログを聴いたりして十分にリサーチをしたら、曲を作り、10曲程度のバンドルを作成した後、契約してくれるLibraryを探すのがProduction Music Composerの日常です。
具体的なLibraryの探し方、注意点などをまとめた記事がありますので、こちらも参考にしてください。
良いLibraryの見分け方
Libraryと契約をするだけでは収益は発生しません。契約した曲はLibraryのカタログに掲載され、P.R.Oデータベースに登録された後、プレイスメントを獲得する事でようやく収益が発生します。
なので契約が成立した後もLibraryがしっかり楽曲を各種データベースに登録してプロモートしているかを常に監視する必要があります。
この記事では無事契約が取れた後、Libraryがちゃんと機能しているかをチェックし、引き続き取引をすべきかどうか判断する方法をご紹介します。
監視といっても、ちゃんとプロモートしているか頻繁にメールなどで確認していたら、Libraryの業務の妨げになりますし、”相手を信頼していない”というメッセージを送っている様なものですからやはり失礼にあたるでしょう。
基本的な監視の仕方は、各種登録作業とプレイスメントの結果をトレースして、どの曲が、どのくらいの期間で、いくらの収益を生んでいるかを把握する事です。
このブログでは度々、伝えていますがProduction Musicのプロセスはとても時間がかかるものです。Libraryに契約した曲が、実際に収益を生むまでには最低でも一年近くかかります。契約したLibraryの良し悪しを最終的に判断するには1、2年ほどの猶予が必要です。
契約前に出来る事
故に、契約前にWebサイトで活動状況や抱えているクライアント、プレイスメント実績などの入念にリサーチして良さそうなLibraryを探す事がとても重要になります。
ただ、どんなに評判が良く、Webサイトがしっかりしていても契約してみないと分からない事も多いので、ある程度調べたら実際に曲を送ってみるしかありません。
事前に少しでもリスクを減らしたい人には、 すべて英語になってしまいますが、SNSなどでProduction Music Composerのコミュニティやメンターを探してみても良いでしょう。
例えば、こちらのサイト
https://musiclibraryreport.com
は業界では有名で、Libraryの評価や口コミのほか、Production Musicに関するフォーラムやコラムなど様々な記事を読む事ができます。(有料です。私は現在、利用していません。)
メンターとしてはこちらのYoutubeチャンネルが最も参考になります。
https://www.youtube.com/c/SyncMyMusic
私もTwitter等で投稿を頻繁に引用させてもらっていますし、とにかく入門者目線で、Producrtion Musicを体系的に解説してくれている唯一のチャンネルだと思います。英語がわかる方にはオススメです。
有料のオンラインサロン的な物も運営されている様ですが、正直、Youtube動画だけで必要な情報はほとんど得られると思います。
契約時に出来る事
Reversion Clause
楽曲がアクセプトされ、契約の段階で出来る事はReversion Clauseの有無の確認と交渉です。
Reversion Clauseとは、契約後、一定期間を過ぎてもプレイスメントを獲得できなかった曲の契約を無効にできる条項です。通常は2年から3年くらいで設定されます。このブログでは基本的にExclusive Libraryとの契約を前提に話を進めているので、Non-Exclusive Libraryについては考えません。
そもそも契約の縛りが生じないNon-Exclusive契約ではReversion Clauseは必要ないとも言えます。
契約の形態、Reversion Clauseに関する詳しい解説はこちら↓
上の記事にも書いてありますが、Reversion Clauseを取り入れているLibraryは多くありません。 むしろ、契約はPerpetual(永久)もしくはAuto Renewal(自動更新)が一般的です。
新規契約時は難しいかもしれませんが、交渉力に自信があれば、契約書にReversion Clauseを追加して欲しいと要望してみるのもアリです。既にある程度実績を挙げて、Libraryに貢献しているなら交渉の余地もあるでしょう。
結局のところパワーバランス次第ですが、アメリカと日本の文化の大きく違う所で、何か要求がある場合、ちょっと無理かな?と思ってもとりあえず聞いてみると案外、上手く事が進んだりします。
ある程度、マナーを守って働きかける必要はありますが、こういった交渉を失礼だと捉えられる事はないと思います。
ちなみに私は契約でReversion Clauseの交渉をする事はありません。契約するLibraryの厳選や関係の構築がある程度済んでいるという事情もありますが、ここまで数年にわたってプレイスメントが全く取れない曲の比率はそれほど多くありませんし、数年前に制作した曲を返却されても質感がOut of Dateになっており、他のLibraryで新たに契約を取るのは難しいので、気長に預ける事にしています。
気分的にも過去に作った曲の事は綺麗さっぱり忘れて次の曲を作る方が性に合っているのもあります。曲の使用状況の細かいチェックや交渉の手間を厭わず、作った曲は1曲たりとも無駄にしたく無いと考える人は交渉をしてみてください。
コミュニケーション
良いLibraryの見分け方の一つとしてコミュニケーションの質も大事になります。
メール等で問い合わせをした時、返信が無かったり、すごく時間がかかるLibraryは少し警戒した方が良いでしょう。Libraryの業務はComposerとの契約業務だけではなく、非常に多岐に亘り、少人数で運営している所もあるので、返信に数日から数週間くらいかかる事は覚悟した方が良いですが、2ヶ月以上かかるとか、質問にちゃんと答えてくれないなど、Composerとのコミュニケーションを軽視するLibraryとは契約しても後々、トラブルになる事があるかもしれませんし、なにより管理しきれないほどの大勢のComposerととりあえず契約して一人一人にしっかりと利益を還元する意識の無いLibraryとの契約は避けた方が良いでしょう。
上述のReversion Clauseの交渉など、自分達に少し都合の悪い事を隠したり誠実に対応しようとしないLibraryは要注意です。
*ここ数年、Libraryの返信に時間がかかる様になってきた印象があります。今までなら楽曲提出後、1ヶ月して返信が無ければ次に行った方が良いとアドバイスしていましたが、ここ最近、私自身、2、3ヶ月後に契約が決まるケースが増えています。
契約後に出来る事
これがこの記事のメインです。
曲の管理状態をチェック
最も大事なのは契約した後の曲をしっかり追跡して、ちゃんとプレイスメントを獲得して収益をあげられる状態になっている事を常に確認する事です。
契約後の曲の状態はいくつかの段階に分類されます。
第一段階
Libraryとメールのやり取りで契約の確約を取り、楽曲データとそのSub-Mixを納品した状態。この状態ではまだ法的には契約は成立しておらず、なんの権利譲渡も発生していません。当然、クライアントは楽曲を使用する事が出来ず、プレイスメントも獲得できません。
ここから契約をご破産にされるケースはほとんど無いと思いますが、Libraryが多忙であったり、手違いでなかなか契約が進まない事もあるので、第一段階で数週間放置されている様な状態だとしたらLibraryに問い合わせてみるのが良いでしょう。
第二段階
楽曲を納品すると、Library側から契約書とメタデータ入力用スプレッドシートなどがメールで送られて来るので、書式に従ってこちらにサイン、データ入力をして送り返すと正式に契約成立です。
契約書に関しては電子サインが可能なサービスを利用して送られて来るので、指示に従って手続きをします。
なお、新規に契約をする時は正式な契約書類が送られてきますが、2回目以降、同じLibraryと契約する時からは、契約書内にある“Schedule A”という契約曲のリストのみが送られて来るので、そこに新たに契約する楽曲を追加するだけで済むケースがほとんどです。
メタデータは要求される場合と、Library側が全て引き受けてくれるケースがあります。要求された場合は、楽曲の検索性にも影響し、プレイスメント率にも直結するので、正確な内容を記入してください。
ここまで済んだ楽曲はPre-Cleared Musicと呼ばれ、権利関係が法的にクリアになりクライアントが安全に使用できる状態です。
第三段階
次はLibraryのカタログへの楽曲掲載。
LibraryのWebサイトに契約済みの楽曲が掲載されて、クライアントはそれを試聴したりメタデータを確認して、用途に合った曲を見つける事が出来たら、Libraryに楽曲使用リクエストを送ります。
Source Audio
多くのLibraryでSource Audioという、プラットフォームを使用してカタログを公開しています。
見た目はAudiojungle, Audiostock,Pond5等のRoyalty Free Stockサービスのページに似ていますが、一番の違いはショッピングカート機能が無い事です。Production Music Libraryとクライアントの決済は、通常ウェブサイト上では行われず、専用の問い合わせフォームから連絡して個別に行う事になります。
本題とはちょっとズレますが、リサーチしているLibraryがRoyalty Free LibraryなのかProduction Music Libraryなのかを判断する一つの指標になるのが、このショッピングカートの有無、Source Audioのプラットフォームを使っているかです。
Universal Production MusicやBMG Production Musicなどの大手もしくは逆に非常に小規模なLibraryの中には独自のプラットフォームを使用している所もあります。
契約成立後、カタログに掲載されるまでには結構、時間がかかります。最短でも2ヶ月、Libraryによってはその年に契約した全楽曲を1年に一度まとめて掲載する所もあるので、タイミングによっては一年近くかかる事もあります。これは仕組み上、どうしようもないので、気長に待つしかありません。
ただ、カタログに曲が掲載されないと絶対にプレイスメントされない訳ではありません。
多くのLibraryはお得意様のクライアントを抱えており、プッシュ型の売り込みをかけてくれるので契約さえ済んでいれば、プレイスメントのチャンスはあります。(むしろこちらの方が多いかも)
カタログ掲載に時間がかかり、待ち時間で結構焦れるとは思いますが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
(とはいえ、何年も掲載されないのは曲を適切に扱っていない恐れがあるのでやはりNGです。1年待っても掲載がなければ問い合わせしてみる事をオススメします。)
第四段階
P.R.Oのデータベースに楽曲、コンポーザー、パブリッシャーの情報が登録される。
クライアントが放送事業の中で楽曲を使用する際はCuesheetと呼ばれる、使用状況を報告するための書類をP.R.O(著作権管理団体)に提出する事が義務付けられています。
Cuesheetの提出を受けて、P.R.Oが著作権使用料の分配額を計算してそれぞれに分配します。
登録作業は通常、Libraryの仕事なのでComposer側は何もする必要はありません。
ただし、P.R.Oのデータベースに登録されていない楽曲は、分配を受け取る事ができないので、Libraryとの契約が成立したら楽曲がデータベースに登録されている事を確認する必要があります。
各P.R.Oのウェブサイトからオンラインでデータベースを確認する事が出来ます。
例としてアメリカの BMIとASCAPのデータベースを掲載しておきます。
データベース掲載のタイミングですが、Libraryのカタログ掲載と同時、もしくはプレイスメントを獲得した時というのが多いです。
Cuesheetが提出された段階で、データベース登録が済んでいないと、著作権使用料を受け取るチャンスを逸してしまうのではと心配されるかも知れませんが、多くのP.R.Oでは過去数年に遡って分配をしてくれるので、こちらもあまり神経質にならなくても大丈夫です。
コンポーザーが自身のP.R.Oがある様にパブリッシャー(Production Music Library)もP.R.Oと契約しています。データベース登録は、パブリッシャー側のP.R.Oに行なわれます。アメリカの場合は、ASCAPかBMIですが、この二つは密接に連携しているため、一方に登録された楽曲は、もう一方に自動で反映されますので、Composer側は何もする必要がありません。
ただし、どちらかが海外P.R.Oの場合、少し注意する必要があります。
よくあるケースとして、
例えばLibraryのP.R.OがASCAP、あなたのP.R.OがJASRACだった場合。
Libraryは契約した曲をASCAPのデータベースにあなたの名前、所属P.R.O名、IPI/CAEナンバーと共に登録します。
この楽曲がプレイスメントされた場合、クライアントから提出されるCuesheetに従って、Libraryとあなたに分配される金額が決定されます。この段階でASCAPはあなたのP.R.OがJASRACである事を知っているので、分配金額をJASRACに送金してくれます。
この時JASRACのデータベースに楽曲の情報が載っていないと、あなたは分配を受け取れません。
データベース登録は本来、Libraryの仕事なのですが、作曲家のP.R.Oが海外の団体の場合は、Libraryがパートナーシップを結んでいるその国のSub-Publisherに依頼して楽曲を海外のP.R.Oに登録することになっています。
”ことになっている”と書いたのは実際にはそうならないケースが往々にしてあるからです。
Libraryが世界中、全ての国にSub-Publisherを持っているとは限りませんし、あっても登録作業が進まない事があります。
また、基本的にアメリカ人作曲家との契約を前提としてアメリカのP.R.O以外とのやりとりを考えていないLibraryも結構あります。厄介なのはそのくせ、普通に外国人作家と契約をしてしまう事です。おそらく国内の自分達のP.R.Oに登録したら仕事は終わりと考えているのでしょう。
これに関して、Libraryの姿勢を責めても仕方がないので、まずは自分が海外のP.R.O所属な事を伝えて、
- Sub-Publisherを持っているか?
- 楽曲登録のプロセスはどうなっているか?
- 作曲家として自身のP.R.Oに登録作業をする必要があるか?
などをよく確認しましょう。
わたしの経験上ですが、(私も以前は海外のP.R.Oでしたので😅)
問い合わせてもLibraryは十中八九、
- 世界中の国々にSub-Publisherを持っている。
- 登録はその国のSub-Publisherがやる。
- 作曲家は何もしなくて良い。
この様に答えます。
しかし、これを鵜呑みにしては行けません。
嘘を言っている訳ではありませんが、実際にSub-Publisherが楽曲登録してくれる所まで確認してくれる訳では無く、多くの場合、Sub-Publisherは何もしてくれない事が多いです。
Universal Production Music、Warner、BMGなど超大手の場合は各国のSub-Publisherも系列会社なので問題なく手続きをしてくれますが、中小規模のLibraryと業務提携の様な形で契約しているSub-Publisherはあまり期待できません。
前述の通り、分配は数年に渡って遡って行ってくれるので、登録のタイミングはそれほど神経質になる必要はないですが、そのままでは分配を受け取れないので自分で登録する事になります。
ちなみに親切なP.R.Oだと、
”あなたのIPIで楽曲使用報告が送られてきてるんだけど楽曲情報が見つかりません、これあなたの曲ですよね?登録してくれたら分配するよ”
という感じの連絡をくれる事もあります。
登録のプロセスはP.R.Oによって様々なのでここでは紹介できませんが、まずはLibraryがアメリカの自身のP.R.Oに登録するのを待って、登録されたのと全く同じ内容を一言一句変えずに自分のP.R.Oに登録します。
アメリカのP.R.Oに楽曲が登録されてから3ヶ月くらい経過してもあなたのP.R.Oへの登録がなければ自分で登録する事を考えても良いかと思います。
登録に関する具体的なプロセスはLibrary、P.R.Oごとに結構、違うので適宜、問い合わせをして確認して下さい。
契約成立から分配受け取りの準備を4段階に分けて書いてきましたが、ここまで完了したら、作曲家は完全に”まな板の上の鯉”です。Libraryがプレイスメントを獲得して分配を受け取るのを待つのみです。
プレイスメント状況のトラッキング
よく質問されるのが、
”曲が使用された事をいつ知る事ができますか?”
というもの。
残念ながら楽曲が使われた事を知る事ができるのは著作権使用料の分配を受け取る時です。
分配は楽曲が使用された時から最短で9ヶ月後なので、契約成立時からだと通常、一年以上後になってしまいます。
これが”Production Musicビジネスは時間がかかる”所以なのですが、
その間、なんのフィードバックを得られないのはちょっと辛い。
そこで、おすすめしたいのがTunesatというWebサービスです。
Tunesat
アメリカとEU全域で放送されるTV番組で使用された楽曲をディテクトして、放送局、番組名、エピソード、楽曲名、使用時間、放送時刻などを報告してくれるWebサービスです。
ユーザーは自分の楽曲をアップロードするだけ。
フィンガープリントテクノロジーを利用して、楽曲使用を検知して報告してくれます。
本来はP.R.Oの明細を受け取るまで、知る事の出来なかった楽曲使用を立ち所に知る事が出来ます。
ちなみにこのサイトのサービスは有料版と無料版があり、私は無料版を使用しています。
無料版では、アップロード出来る楽曲の上限が50曲、ひと月にディテクトされるのも50回までと制限さがあります。
私はLibraryと1000曲以上契約しており、月のプレイスメント量も50回をはるかに超えるので、無料版では全体の状況を全く把握できていません。
正直な所、私にとってTunesatは楽しみの一つ、モチベーション維持の為でしかありませんが、契約数が少ない内は全てをカバーできるでしょうし、プレイスメント量もなかなか月50には届かないと思うので初期では無料版でも状況の把握に効果的です。
またアップロード曲は、削除して入れ替える事が出来るので、新規のLibraryと契約してプレイスメントをしっかり取ってくれるか不安な時などには、新規契約曲を登録し直す事でP.R.Oの報告よりも先にLibraryの活動状況を知る事が出来ます。
有料版に関して、個人的にはあまり必要ないと思っています。
理由は費用が、高いうえ、Tunesatディテクションの結果を持って、P.R.Oに分配漏れを指摘しても対応して貰えないからです。
ディテクションの精度自体は非常に正確ですが、Tunesatは公式な資料として認められていないのです。
費用はアメリカとEUを両方カバーするプランで100曲以上アップロードするのに月200ドル近くかかります。
有料版はパブリッシャーなど、膨大な楽曲を抱えている立ち位置の方には良いかも知れませんが、Composerには必要無いと思います。
プレイスメントの分析
楽曲がある程度、プレイスメントされTunesatやP.R.Oの使用報告書で
- どのLibrayと契約した?
- どの曲が?
- どのような利用のされ方をして?
- いくらの収益になったのか?
といった事がだんだん分かってくるので、これらの情報を基にLibraryを評価します。
評価の基準は
- 契約の取りやすさ
- コミュニケーションのしやすさ
- プレイスメントの量
- プレイスメントの質
- 将来性
などに注目します。
上の二つは契約にかかる時間的コストや信頼感による心理的コストの部分ですね。
Production Musicはすぐに目に見える成果が出ない中、淡々と曲を作り、契約を重ねていくので、Composerにとって大切な時間や労力をLibraryに先行投資していくような形になります。
なのでLibraryに対する信頼感、期待感といったものが意外と大事になります。
特に参入初期は曲作りの経験値も少ない上、なるべく早く契約曲を増やしたいので、ある程度契約が取りやすい事も大事な要素です。
一方で、契約しても全然、プレイスメントを取れなかったり質が悪いと意味がないので、後述していくプレイスメントの質と量を照らし合わせて検討していきます。
楽曲がプレイスメントされて初めてComposer及びLibraryの収益になるのは前述の通り。
なので1つでも多くのプレイスメントを取ろうと動いてくれるLibraryと契約をする事が大切です。
1プレイスメントあたりの単価は決まっておらず、
- 使用形態
- 放送の規模
- 放送の時間帯
- 使用された長さ
- それ以外の要素(プレミアムクレジットなど)
これらの要素に基づき計算されます。
1プレイスメントあたりの金額は0.01ドルから数100ドルまで、かなり幅があります。
ひとつの楽曲が同じ番組で同じように使用されても、放送時間が違ったり、放映権の譲渡により別の放送局から別の国、別の放送規模で使われたりすると楽曲使用料も全く違うものになります。
同じ楽曲の使用料で10倍以上の差が出る事もよくあります。
また最近ではインターネットTV(Netflix、Amazon Primeなど)の番組へのプレイスメントも増えており、従来のTVのプレイスメントと比べて使用料がかなり低く設定されています。
プレイスメント量自体は多く、従来のTVプレイスメントを近年、上回るようにさえなっています。
その影響でプレイスメント量は飛躍的に伸びたにもかかわらず、減収になる事もあります。
インターネットTV経由のプレイスメントに関しては業界で様々な議論があり、今後価格が見直される可能性もありますが、現状では従来のTVプレイスメントの方が収益性が高いと言えるでしょう。
1プレイスメントあたりの金額は幅がありますが、ボリュームゾーンというか、一般的なTVプレイスメントでは20ドルから25ドルくらいが一つの目安になると思います。
なのでプレイスメント量が多くても0.00ドルから1ドル のものばかりでは全然、収益にならないので、15から25ドルくらいのプレイスメントを沢山、獲得してくれるLibraryが良いLibraryと言う事が出来ると思います。
まとめ
上質なLibraryと沢山の楽曲を契約する事がProduction Music、唯一にして絶対的な成功の秘訣と言っても良いでしょう。
必然的に良いLibraryは競争率も高く契約の難易度は上がってしまう傾向にありますが、”Quality and Quantity”の精神で頑張りましょう。
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